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初めての子育て、パパとしてのスタートライン
我が子が生まれた日のことを、今でも鮮明に覚えています。
病院で小さな手を握った瞬間、「この子を守っていくんだ」と胸が熱くなった一方で、「自分に父親が務まるのか」という不安も同時に押し寄せてきました。
出産直後のバタバタの中で、母子のケアに追われる妻を支えようと必死でしたが、正直、何をすればいいのか分からないことだらけ。最初の1か月は、まるで嵐のような日々でした。
「父親になる」実感は、意外とすぐには来ない
出産を終えた瞬間、母親は強くなります。
しかし、父親はそう簡単に“父性スイッチ”が入るわけではありません。
私自身も、生まれたばかりの我が子を見つめながら、「本当に自分の子どもなんだ」と思いながらも、どこか現実感がなく、抱っこもぎこちない。そんな自分に落ち込む日もありました。
でも、夜中のミルクを一緒にあげたり、泣き止むまで抱っこして歩いたりするうちに、少しずつ“父親の感覚”が芽生えていきました。
「泣くのも仕事」「今しかない時間」そう自分に言い聞かせながら過ごす日々の中で、少しずつ父親としての自覚が深まっていったのです。
妻とのチームワークが何より大切だった
産後、妻の体と心は大きく変化します。
初めての育児に加えて、ホルモンバランスの乱れや睡眠不足など、想像以上に負担がかかっていました。
そんな中で私が気をつけたのは、「完璧を目指さないこと」と「感謝を言葉にすること」。
「ありがとう」「助かってるよ」その一言が、どれだけ妻の支えになったかを、後から痛感しました。
お互い余裕がない時期こそ、「チーム」として向き合うことが大切です。
夫婦でタスクを分担しすぎず、「一緒にやる」意識を持つことで、心の距離も近づいていきました。

泣き声が怖かった時期もあった
最初の頃、赤ちゃんの泣き声が怖かったんです。
「泣かせちゃいけない」と焦るあまり、抱っこしても泣き止まないと自分を責めてしまっていました。
でも、助産師さんに「泣くのは健康な証拠。泣いて伝えるのが赤ちゃんの仕事ですよ」と言われて、肩の力が抜けたのを覚えています。
それからは、「泣いた=失敗」ではなく、「泣いた=コミュニケーション」だと考えるようになりました。
すると不思議と気持ちに余裕が生まれ、赤ちゃんとの時間がぐっと愛おしく感じられるようになったのです。
夜泣きと睡眠不足との戦い
生後3か月ごろまでは、夜泣きとの戦いが続きました。
授乳やおむつ替えのたびに起きる妻のサポートをしたい一方で、自分も仕事があり、どこまで手伝うべきか迷うこともしばしば。
「明日も早いから寝かせて」と言うのも気が引けて、気づけば二人とも寝不足という悪循環に陥っていました。
そんな時に意識を変えたのが、「できる範囲で交代制にする」ということ。
私は夜のうち1回は必ず対応し、妻には日中少しでも仮眠をとってもらうようにしました。
完璧ではなくても、“一緒に頑張っている”という実感があるだけで、育児のストレスはぐっと軽くなりました。
仕事と育児、どちらも中途半端に感じた時期
職場復帰してからの数ヶ月間は、まさに「心ここにあらず」状態。
仕事中も「今、妻は大丈夫かな」「子どもは泣いていないかな」と気になってしまい、集中できないこともありました。
反対に、家に帰ってもメールの返信や資料作成が頭を離れず、心が落ち着かない。
育児も仕事も中途半端に感じて、自己嫌悪に陥ることもありました。
でもある日、上司から「完璧を目指すな。今のあなたは“父親を始めたばかりの新人”なんだから」と言われて、少し救われました。
父親としても、社会人としても、同じように学びながら成長していけばいい。そう思えた瞬間、肩の力が抜けたのを覚えています。
「パパだからできる関わり方」に気づいた瞬間
赤ちゃんが生後半年を過ぎた頃、ようやく笑顔や反応が増えてきました。
この頃から、「パパじゃなきゃ笑わない」瞬間が増えてきて、父親としての自信が少しずつ芽生え始めました。
たとえば、私が高い高いをするとケラケラ笑うのに、妻が同じことをしても無反応だったり。
お風呂で「いないいないばあ」をすると大爆笑したり。
子どもなりに「パパとの遊び」を楽しんでくれていることが伝わってきて、それが何よりのご褒美でした。
そのうち、私が帰宅すると嬉しそうに手を伸ばしてくれるようになり、「おかえり」の笑顔を見るたびに一日の疲れが吹き飛びました。
「父親だからこそできる関わり方」が確かにあると気づいた瞬間でした。
夫婦で「育児を楽しむ」余裕を取り戻す
気づけば、妻と笑いながら育児の話をする時間が増えていました。
「この顔、どっちに似てる?」とか、「寝相が面白すぎる!」とか、そんな小さな話題で笑い合えることが、どれほど心の支えになったか分かりません。
最初の頃は「大変」「眠い」「しんどい」といった言葉ばかりだったのに、いつの間にか「かわいい」「今日も頑張ったね」と言えるようになっていました。
きっと、二人で乗り越えてきた時間の積み重ねが、少しずつ夫婦を強くしてくれたのだと思います。

父親としての成長を感じた瞬間
子どもが1歳を迎える頃、ようやく「父親になった」という実感が強くなりました。
最初の頃は泣き止ませることもおむつ替えもおぼつかなかった自分が、今では自然に抱っこして寝かしつけができるようになっている。
妻が外出している間に子どもと2人で過ごすことも不安ではなくなり、「大丈夫、任せて」と言えるようになりました。
父親として特別なことをしたわけではありません。
ただ、毎日少しずつ向き合い続けることで、子どもと一緒に成長できた気がしています。
その積み重ねが、何よりも大切なんだと感じています。
子どもとの関係を育む「小さな習慣」
仕事が忙しい日々の中でも、意識して続けてきた習慣があります。
それは、「毎日必ず一度は目を見て話しかけること」。
朝の「おはよう」、夜の「おやすみ」。ほんの数秒でも、子どもがこちらを見て笑ってくれる瞬間は、何ものにも代えがたい幸せです。
また、寝る前の絵本の時間も欠かせません。
最初はページをめくるだけで十分。言葉がわからなくても、父親の声を聞く時間が安心につながると感じています。
こうした小さな積み重ねが、子どもにとって「パパ=安心できる存在」として刻まれていくのだと思います。
「完璧な父親」ではなく「一緒にいる父親」へ
SNSなどを見ていると、「理想のパパ像」に焦ることがあります。
料理も家事も完璧にこなして、休日は子どもと公園で笑顔…そんな姿を見て、自分とのギャップに落ち込むこともありました。
でも、子どもが求めているのは“完璧な父親”ではなく、“自分のそばにいてくれる父親”なんですよね。
うまくいかない日があっても、「今日もパパ頑張ってるね」と言える家庭であれば、それで十分だと思うようになりました。
父親も母親も、人間らしく悩みながら歩んでいい。
その姿こそ、子どもにとっての「本物の親」の姿なのかもしれません。
新米パパへのエール
これから父親になる方へ伝えたいのは、「最初からうまくいかなくて大丈夫」ということ。
赤ちゃんも初めて、パパも初めて。
試行錯誤しながら一緒に歩むことが、親子の絆をつくっていくプロセスです。
泣いても笑っても、そのすべてが成長の証。
不安な夜も、寝不足の日々も、きっといつか懐かしくなる日が来ます。
焦らず、比べず、あなたのペースで。
「父親としての自分」を少しずつ育てていきましょう。
そして何より、育児は「一人で頑張るもの」ではありません。
家族と、周りと、時には社会に頼りながら、支え合っていくことが、子育てを楽しむ一番のコツです。

おわりに
この一年を振り返ると、父親になってからの毎日は学びと発見の連続でした。
「子どもを育てる」と思っていたけれど、実は「子どもに育てられていた」のかもしれません。
これからも、父親として、夫として、一人の人間として成長し続けていきたいと思います。

